瓦屋根のメリットとして、耐久性や耐候性を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。

実は、瓦そのものだけでなく、瓦の下にある構造も、屋根を長持ちさせるうえで重要な役割を担っています。

瓦の下に空気や雨水の通り道を確保することで、湿気の排出や万が一の雨水の排水を助ける工法があります。

今回は、各部材に注目しながら、「通気下地屋根構法」の仕組みと、屋根の耐久性との関係について解説します。

「屋根材の種類や屋根工事の基本については、こちらでも詳しく解説しています。」

瓦屋根の通気性とは?

瓦屋根は、瓦桟木などの部材を使って瓦を固定する構造になっています。そのため、施工方法や屋根の納まりによって、瓦の下に空間が生まれます。

この空間に適切な通気経路を確保することで、屋根内部の湿気を逃がしやすくなります。

また、瓦の隙間から雨水が入り込んだ場合に備え、瓦の下にある防水層と排水経路も重要です。

ただし、瓦の下に空間があるだけで、必ず十分な通気性が確保されるわけではありません。空気の入口と出口、屋根の構造、施工方法などを考慮する必要があります。

通気下地屋根構法の仕組み

今回注目したいのは、平板瓦の下にある部材の構造です。

通気下地屋根構法では、瓦を支える部材や防水層、野地板など、それぞれの役割を理解することが大切です。

主な部材を4つに分けて紹介します。

① 瓦|雨や日差しから建物を守る

瓦は、屋根の表面を覆い、雨や日差しなどから建物を守る屋根材です。

しかし、強風を伴う雨などでは、瓦の隙間から雨水が入り込むことがあります。

そのため、瓦だけで雨水を完全に防ぐのではなく、瓦の下にある防水層と組み合わせて屋根を構成します。

瓦の耐久性だけでなく、その下にある構造も含めて屋根全体の性能を考えることが重要です。

② 瓦桟木(溝抜き構造)|空気と雨水の通り道を確保する

瓦桟木は、瓦を引っ掛けて固定するための木材です。

今回紹介する溝抜き構造では、瓦桟木に設けられた溝や横穴によって、空気や雨水の通り道を確保するよう工夫されています。

一般的な瓦桟木と異なり、部材が空気や雨水の流れを妨げにくい構造になっている点が特徴です。

このような構造は、瓦の下に入り込んだ雨水を軒先側へ排出しやすくし、湿気を逃がすための通気経路を確保するうえでも役立ちます。

「屋根の雨漏りは、瓦だけでなく下地や防水層の状態も関係します。雨漏り修理や屋根点検についてはこちらをご覧ください。」

なお、溝や横穴の形状・寸法は、使用する部材や工法によって異なります。

③ 下葺き材(ルーフィング)|屋根の防水を支える

ルーフィングは、瓦の隙間などから入り込んだ雨水が、野地板などの屋根下地に浸入するのを防ぐための防水層です。

瓦屋根では、瓦とルーフィングがそれぞれ異なる役割を担っています。

瓦が屋根表面で雨水を流し、ルーフィングが瓦の下に入り込んだ雨水から屋根下地を守ります。

また、雨水が適切に排出されるようにするためには、ルーフィングの施工状態や軒先などの納まりも重要です。

通気や排水を考える際は、瓦桟木だけでなく、防水層も含めて屋根全体の構造を確認する必要があります。

④ 野地板|屋根を支える重要な下地

野地板は、下葺き材や屋根材を施工するための下地となる板材です。

屋根を支える重要な部分であり、雨水の浸入や湿気の影響を長期間受け続けると、劣化につながるおそれがあります。

そのため、雨水を適切に排出することに加え、屋根内部に湿気がこもりにくい構造にすることも大切です。

普段は瓦に覆われて見えない部分ですが、屋根全体の耐久性を考えるうえで、野地板の状態にも目を向ける必要があります。

瓦屋根の通気性がもたらす3つのメリット

通気下地屋根構法では、瓦の下に空気や雨水の通り道を確保することで、屋根内部の環境を良好に保つことを目指します。

主なメリットを3つ紹介します。

① 屋根内部の湿気を逃がしやすくする

屋根内部に湿気がこもると、条件によっては結露が発生し、木材の腐朽やカビなどにつながることがあります。

瓦の下に適切な通気経路を確保することは、湿気を外へ逃がし、屋根下地の耐久性を維持するうえで役立ちます。

ただし、通気による効果は、屋根の構造や換気経路、周囲の温度・湿度などによって異なります。

通気経路が適切に設けられていることが重要です。

② 雨水を軒先へ排出しやすくする

瓦の隙間から入り込んだ雨水は、屋根の勾配に沿って軒先側へ流れます。

このとき、瓦桟木などの部材が排水を妨げない構造になっていることが重要です。

溝抜き構造によって雨水の通り道を確保することで、屋根内部に水が滞留しにくくなるよう工夫できます。

もちろん、屋根の防水性能は溝抜き構造だけで決まるものではありません。ルーフィングの状態や施工品質、軒先などの納まりも重要です。

③ 屋根下地の劣化リスクを軽減する

野地板などの木材は、長期間にわたって水分の影響を受けると、劣化する可能性があります。

通気によって湿気を逃がしやすくし、雨水を適切に排出できる構造にすることは、屋根下地を良好な状態に保つための対策のひとつです。

屋根の耐久性を考える際は、瓦の品質だけでなく、瓦の下にある防水層や下地の構造にも目を向けることが大切です。

瓦屋根なら、どのような構造でも通気性がよいの?

ここまで通気性のメリットを紹介しましたが、瓦屋根であれば、すべて同じように通気できるわけではありません。

屋根の構造や施工方法によって、瓦の下にできる空間や空気の流れ方は異なります。

また、瓦の下の通気と、屋根裏の空気を入れ替える「小屋裏換気」は、関連するものの別の仕組みです。

瓦の下に通気経路が確保されていても、それだけで小屋裏の換気が十分に行われるとは限りません。

屋根を長持ちさせるためには、瓦・瓦桟木・ルーフィング・野地板それぞれの役割を理解し、建物の条件に合った構造と施工を選ぶことが重要です。

まとめ|瓦だけでなく、その下の構造も大切です

瓦屋根の耐久性を考えるうえでは、表面の瓦だけでなく、その下にある構造にも目を向ける必要があります。

通気下地屋根構法では、瓦の下に空気や雨水の通り道を確保することで、湿気の排出や雨水の排水を助け、屋根下地の劣化リスクを軽減することを目指します。

平和瓦では、屋根の状態だけでなく、下地や防水層の状態も重要だと考えています。

屋根の葺き替えや修理をご検討の際は、使用する屋根材だけでなく、どのような構造で施工するのかについても確認してみてください。

日向市を中心に、屋根修理や雨漏り点検についてのご相談を承っています。屋根の状態が気になる方は、お気軽に平和瓦へご相談ください。